【製品の寸法と成形収縮率】
製品を成形して寸法を測定してみたら図面の寸法公差内に入っていない場合、まず何を疑うだろうか?
とにかく金型が悪いから直せ!となりやすいのだが....はたしてそうなのだろうか?
まず、知らなくてはならない前提として、成形直後の製品は金型から出てきたら、冷却されるにつれて製品が小さくなる(収縮する)こと。一般的には最低1日以上安定するためには時間がかかります。
そのために金型は製品が収縮することを前提として、少し大きく作らなくてはならないのですが、これが成形収縮率なのです。
成形収縮率=(金型寸法-成形品寸法)/金型寸法
成形収縮率は5/1000、0.5%、0.005など表現はさまざまです。
材料のカタログに成形収縮率は記載されており参考としますが、実際は材料の流れ方向と直角方向で異なる場合もあるため過去の類似品の実績も考慮して決定します。
金型と材料以外で成形条件も寸法に影響する一因ですが、成形条件のなかで、金型温度、樹脂温度、成形時間、成形圧力等は寸法に影響を与える場合があります。
金型修正は工期や費用が発生するケースも多いため、影響する要因を確認しながら製品の重要部位の寸法を確保することが重要です。
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