【プラスチックとわたしたち】          
わたしたちの暮らしの中で ペットボトル,携帯電話,レジ袋など.....       

プラスチック製品はなくてはならないものであり、医療,自動車,家電,航空機等幅広い分野,業界で広く使われています。

 
         
               
プラスチックは金属や木材等の代用品として使用されてきたが,    
低コストで豊富な色や複雑形状に対応でき,大量生産に向くため    
近年では、代用品としてだけでなく プラスチックの軽さ、さびにくいこと、  

電気を伝えない等の特長を活かした製品開発が幅広い分野で使われている

               
【プラスチックは?】            
英語の「プラスチックス」は「可塑性のあるもの」すなわち 加熱・加圧により  
自由に成形できる材料のことで、日本語では「合成樹脂」とも言われる。  
               
【プラスチックの性質】          
プラスチックは加熱すると柔らかくなる「熱可塑性プラスチック」    

加熱すると少し柔らかくなり さらに加熱を続けると硬くなる

「熱硬化性プラスチック」に分けられます。

 

【プラスチックの利点とは?】 

軽い(PP,PEは比重1.0以下で水に浮く)

透明なものもあり、顔料等で着色も容易である

摩擦係数が低いためにすべりやすいものもある

やわらかく柔軟性があるものがある

熱を伝えにくい

電気絶縁性がある

振動、衝撃、音等を吸収、やわらげる効果がある

複雑な形状を可塑性により安価に作成しやすい

                               

【プラスチックの欠点とは?】 

金属に比べて強度、剛性などが劣る

キズがつきやすい

耐熱性が低めでソリ、変形等発生しやすい

燃えやすい(燃えにくくしたものもある)

薬品や紫外線等で劣化することがある

 

【使用用途に応じたプラスチックの分類】

プラスチックの欠点を補うために、機械的強度の向上や

耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等の改良を加えた高性能な

プラスチックが開発されています。

 

 ◎エンプラ(エンジニアリングプラスチック)

   使用温度100℃以上目安 

   例) POM、 PA、 PC、 m-PPE、 PBT 等

   

 ◎スーパーエンプラ(特殊エンプラ) 

   使用温度150℃以上目安 耐薬品性等特殊用途向

   例)PPS、PEEK、PAI 等

 

一般的に汎用プラスチックに比べて、高性能なエンプラになる程、

材料の価格は高くなる傾向にあり、また、成形の難易度が高まる

傾向にあります。

 

また、補強材で機械強度をアップしたFRP(強化プラスチック)は、

汎用としてガラス繊維強化が多く、近年は炭素繊維強化(CFRP)等は

高級な用途で航空機等で金属代替として普及しています。

               
【さまざまなプラスチック成形】          
熱可塑性プラスチックの代表的な成形法は射出成形であるが、他にも  
中空のタンク等のブロー成形パイプやシート等の押出成形等がある。  
また、金型内に熱硬化性プラスチックを入れプレス・加熱する圧縮成形  
材料の種類や用途に合わせた成形法が使用されている。    
               
【射出成形とは?】            
プラスチック成形法で最も多く使用されている射出成形の流れとしては  

①「材料を加熱してやわらかくする

②「金型内に材料を流し込む

   

③「金型内で冷やして固める

④「金型を開き製品を取り出す

   
上記の①~④を繰り返し生産します。        
               
【射出成形の特徴】            
射出成形は「とけて」 「ながれて」 「かたまる」 の3工程。    
最大の特徴は 金型内に高い圧力で材料を押し込むことにより    
高い寸法精度(例:±0.1%)が得られることである。      
また 生産のワンサイクルが短く時間あたりの生産性も高い。    
プラスチックはワンサイクルで金型通りの形状が得られ    
他の材料よりも工数が低減できることもあり    
コストダウンができる場合も多い        
               
【射出成形品の設計ポイント】          
抜き勾配をつける            
 金型から成形品をキズ等ない良品を取り出すためには可能な範囲で  
 抜き勾配をつける。            
肉厚を均等にする            
 金型内で製品を冷やすとき部分的に肉厚が厚いところがあると    
 冷えにくいために必要以上に冷却時間が必要となったり    
 肉厚部に肉ヒケ(凹み)やソリ等が発生してしまう場合がある。    
シャープコーナーを作らない          
 製品にシャープコーナーがあると割れや破損の起点となる恐れがあり  
 強度が落ちう恐れがある。          
適切な材料選定            
 耐熱性や強度、価格等材料により違いがあるので製品の使用目的や  
 用途に適した材料を選択する。        
⑤その他              
 製品の使い方(意匠面・外観等)から金型表面の仕上(シボ,面粗度等)や  

 金型構造(パーティングライン突出ピン跡ゲート位置等)を

 総合的に考える。

 

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