出典:中日新聞web版
「あいちトリエンナーレ2019」で中止になった企画展「表現の不自由展 その後」が10月8日午後から再開されることになりました。
慰安婦の少女像、昭和天皇の肖像のコラージュを燃やした作品などで抗議が殺到して中止していたものですが、事前申し込みの抽選として入場制限を設けるなど安全の確保を検討してメドが立ったとのことです。
『表現の不自由展・その後』
過去に公共の文化施設で「タブー」とされがちなテーマの作品が、実際に展示不許可になった作品を理由とともに展示、との説明がありますね。
展示された中で特に問題とされたもののひとつが、『慰安婦』をテーマにした作品です。
愛知トレエンナーレ2019 2010年から3年ごとに行われる国内最大規模の国際芸術祭ですが、その中の『表現の不自由展・その後』は開催してすぐに中止になってしまいました。表現の自由を問うことは、芸術祭で扱うには少し難しいテーマですかね。
そもそも、過去に展示不許可になったものを展示し、なおかつ、政治的なメッセージ性の強いものを展示していますから...
今回の従軍慰安婦像と燃えた天皇肖像画の展示物については、思想的に受け入れがたい人や不愉快に感じる人がいるはず、あえて世界中の人が来る国際芸術祭で行うべきだったのか?ここは賛否がわかれるところです。
個人的には、組織的忖度、検閲を防ぎたいというタブーのテーマに挑戦したことに一定の理解はできます...しかし、展示に対しての抗議やいやがらせ等の危険も想定内のはず、だから、すぐに中止にするなら最初から開催してはいけません。なんせ、文化庁の補助金、愛知県、名古屋市の税金で開催しているわけだから...さらには国からの補助金が支払われないことになってしまい、これは前代未聞ですよね。
出典:中日新聞web版(共同通信)
そもそも、開催の責任者である愛知県知事と名古屋市長が、開催されてから作品についての是非や表現の自由で論争しているのは、残念ですね...開催前に主催者は内覧会などで中身の確認ができていなかったのか?とても不思議なところです。
開催後の仲間割れはいただけない、よくそこは調整しておかないと....
『表現の自由』は誰もが持つ権利であるけれども、自由の範囲はどこまで許されるのか?
少し難しいテーマだなとは思いますが、税金を投入して行うわけで、開催したのであれば、多くの人に作品の芸術性とかメッセージ性を含めて感じてもらって、しっかりと見てもらった上で賛否を含めて判断してもらえばいいのではないかと思います。
いかなる理由であれ思想、信条が違っても、テロや暴力は容認されませんから、そこだけは間違えてはいけませんね。