大坂なおみ選手が、テニスの全米オープン女子シングルスで元ランキング1位のセレナ・ウィリアムズ選手を6-2、6-4ストレート勝ちで破り、日本人として、初のグランドスラム制覇をしました。おめでとうを通り越して感動しておもわず涙がこぼれました....。
思えば長い道のりでした...往年の名プレーヤー松岡修造選手、伊達公子選手、杉山愛選手や現役の錦織圭選手など、誰も達成できなかったグランドスラムの決勝進出、そして、一回目のチャレンジですぐに制覇してしまった快挙にとても驚きました。
試合の内容は6-2、6-4ストレート勝ちというスコアだけでなく、ストロークやサービス等でパワーヒッターのセレーナ選手に全く力負けしていません。また、セレナ選手よりも大坂選手はよく足が動いていて、クレバーに冷静なプレーをしている感じでした。
かつて、マルチナ・ヒンギス選手が世界女王として君臨していた1997~99年は必ずしもパワーテニスではなかったですが、ビーナス・ウィルアムズ選手が活躍するようになった2000年頃から女子テニスはウィリアムズ姉妹に代表されるようなパワーテニスへと変化し、なかなか、日本人女子のグランドスラム制覇は難しいなと思いましたが、見事にこれを克服してとても素晴らしいことです。
大坂なおみ選手の好きな選手は今回対戦したセレナ・ウイリアムス選手とのことで、決勝で彼女と対戦することが夢と言っていたことも何か今回の優勝への強い運命を感じさせますね。 まさに夢を達成して実現した瞬間でした。
少し残念だったところは、元世界女王のセレナ・ウイリアムズ選手が何度も審判に激しく抗議し、ラケットを叩きつけて壊す、取り乱して泣き出す、さらには審判に向かって「You are liar(うそつき)」とはっきりと言っています。これは単なるうそつきだと言うことではなくて、審判に対するびっくり侮辱発言ですね。サッカーのレッドカードで一発退場レベルのとんでもない言動で元女王であっても許されません!
しかし、少し見方を変えるとセレナ選手は、不利な形勢逆転のために審判に何度も抗議して地元ファンを味方につけることを狙ったのでしょうか?抗議が聞き入れられずにさらに逆ギレ、結果的に本人は冷静さを失いプレーに集中できませんでした。また、会場の観客のブーイングやざわつきがなかなか収まらずにいっそうプレーに集中できない環境を自らが作り上げてしまった感じです。
勝負ごとではメンタルが大きく左右しますので、大坂選手は全米の完全アウェー、ブーイングの中で集中力を維持できたことは、テニスの実力に加えてメンタル的にもとても強い人ですね。最後までとても落ち着いてプレーしていました。よく頑張りました!
テニスはゴルフと同じ紳士・淑女のスポーツ、良いプレーには敵味方なく応援してほしいですし、また最後に勝者をたたえ合うのがマナーだと思います。この試合中のセレナ・ウイリアムズ選手のマナーの悪さは、大きな汚点を残してしまいました。なんせ、全米オープン決勝なのですから....。一方で勝った大坂選手が涙をながして、セレナ選手が冷静にプレーできなかったことをやさしく労うところはとてもすばらしい人間性の持ち主ですね。
大阪選手はまだ20歳の若さにしてグランドスラムを制覇、これで大きな自信をつけてチャレンジすれば、四大大会全てを制する日も近いと思います。大坂選手のお母さんは北海道根室出身ですが、台風21号、そして北海道地震で大変厳しい状態のさなかにある北海道民や日本国民に向けて、明るいサプライズを届けてくれて、とてもうれしいことです。応援しています。