北海道地震が発生する2ヶ月ほど前、6月27日「苫小牧民報」記事では、2018年版全国地震動予測地図で北海道南東エリアで地震確率が上昇していることを取り上げて、石狩低地東緑断層帯周辺の地域に対して注意を呼び掛けていました。
出典:毎日新聞9月7日記事より
北海道厚真町で震度7を観測した北海道地震は、震源の西約10キロにある主要活断層帯「石狩低地東縁断層帯」で発生したものではないとの見解を政府の地震調査委員会がまとめました。この活断層ではなくて東日本大震災からの一連の流れ?とも言われており、次なる地震が別のエリアで発生する恐れもあります。
地震調査委員会のまとめた2018年版全国地震動予測地図を見てみます。これは、毎年公表される新たな長期評価に基づいて、全国地震動予測地図を更新して、地震調査委員会が公表してきたものです。
2018年版確率論的地震動予測地図、30年間に震度6強以上の揺れに見舞われる確率ですが、今回地震が発生した北海道胆振地区については、黄色エリア0.1~3%の範囲にあり、1000年に1回の被害が起こるとされた場所でした。ちなみに北海道であれば釧路など南東エリアの方が地震発生の確率の高い赤色エリア26%以上でして、細かいエリアでの地震予測の精度を上げることは難しいことがよくわかります。
100年に1回か? 1000年に1回か? 自分の寿命よりおそらく長い期間での発生予想確率に正直ピンときませんが、少なくとも南海トラフで地震エリア内に愛知県も含まれるわけですから、けっして他人事ではありません。
活断層については、国土地理院「活断層地図 東海地区」、あるいは「産総研 活断層データベース」が役立ちます。
安城市に隣接する碧南、西尾から蒲郡にかけて横須賀断層、深溝断層があり、1945年の三河地震M6.8でこれらの断層が大きく動き、大被害を発生しました。発生から70年以上が経過しており100年に一度とすればいつ次の大地震が発生しても何ら不思議ではありません。
終戦1945年前後には、4年連続で発生した昭和東南海地震M7.9、鳥取地震M7.2、三河地震M6.8、南海地震M8.0は、戦時中であったために大々的に報道されず、またあまり詳しい記録も残されていません。
さかのぼり90年前1854年安政東海地震M8.4、その32時間後に安政南海地震M8.4、翌年1855年安政江戸地震M7.0(江戸直下型)、たった2年間で四国から東海地方、江戸直下に連続で襲いました。さらに安政江戸地震から70年後に1923年関東大震災が発生しています。このような巨大なプレートを動かすような大地震は広範囲で連続して次々と発生することを歴史が教えてくれます。
地震が発生しやすい活断層等があるエリアは、震度M7.0以上の大地震はだいたい70年~100年周期で発生し、長寿命で80歳以上まで生きる現代であれば、一生に1回は大地震を体験することになるのでしょう。
先週の土曜日、9月1日は「防災の日」でしたが、台風21号、北海道地震が連続で発生して多くの犠牲者の方が今でも大変な思いをされています。防災グッズ、避難場所などの事前の準備が大切で「備えあえば憂いなし」あらためて防災について考えさせられました。