◎「自分だけは大丈夫」正常性バイアスとは?

東日本大震災の時に話題になった「自分だけは大丈夫?」と思う心理。これを正常性バイアスと言います。

 

さまざまなストレスが多い中、少々危険だからと言って全ての事柄について、心配しすぎていたら精神的に病んでしまいます。ですから、人間は自己防衛のために危険な情報に対してフィルターをかけて精神的な安定を保つ傾向があります。

 

実際に東日本大震災の映像を見るとすぐそばまで津波が来ていても平気で動画を撮影している人がいたり、逃げずに堤防に近づいている人を見かけました。これも正常性バイアスの事例かと思います。どこかにある自分だけは大丈夫と言う過信....

 

企業経営も同様で、たとえば過去に通用していた方法が現実うまくいかなくなっても今回は運が悪かったとか、社会や周囲が悪いんだと

都合のいい理由を考えて次の打ち手を考えることを後に伸ばすこと。自分も含めてよくありがちな行動です。

 

逆に、自分が不幸な目に合うとなぜ俺だけがこんな目に合うんだと感じることもありますが、これも自分だけは不幸にならないと言う正常性バイアスのためかもしれませんね。実は自分と同じ境遇の人は世界に山ほどいるのですがそこにはあまり目が行きません。

 

正常性バイアスは目の前の危機から目をそらして自分を安心させたいと言う一種の甘えが、備えや行動を遅らせる根本の原因なのでしょう。いわゆる様子見をすることで事態が好転して、結局取りこし苦労であったと言うこともあるかもしれませんが、逆はいけません。

 

とかく経営者にありがちなことは過去の成功体験は自分の力なんだと過信してしまい、時代の変化に対応できず取り残されていくことです。よく大企業病などとも言われますが、中小企業や町の商店も例外ではありません。

 

時代の変化の速度が早くなってきて、また変化の仕方もグローバルで予測が難しくなりましたがうまく変化に対応していきたいものです。