自動車等の工業部品を委託製造していると、顧客の要請により、
工程監査がしばしば行われます。
いったいどのように対応して進めていけばよいのでしょうか?
当社も毎年、工程監査を受けることがありますので、実際に
どのような流れで進めているかを参考として書いてみました。
工程監査にもいろいろとあり、定期的な工程の維持状況の確認、
新製品の立ち上げ、不具合やクレームによる緊急監査等さまざまな
目的により実施されます。
まず、監査を行う目的等の趣旨説明は、客先から事前に連絡が
ある場合が多いです。また、説明がない場合についてもきちんと
事前に目的を確認しておきましょう。
審査前には顧客の確認事項が事前に渡される場合もあり、自社で
自己採点を行い弱点があれば、顧客のフォローを受ける場合も
あります。
たとえば自動車部品等では品質保証体制が確立できているかは、
ISO9001規格取得状況等も踏まえての確認もあります。
重要なポイントは自社の品質管理について、わかりやすい形で
外部の方に丁寧に説明ができるようになっているかどうか?
そして聞いていただいた上で安心していただけるか?
工程の流れを説明するための資料等は事前に準備をしておきます。
時にはチェックシート等を用意して顧客の質問に対して、事前に
回答を準備しておくことも必要です。
進め方としては、会社全体の仕事の流れを説明する資料として
QC工程表等を用いて検査規格、手順書、記録類等の決め事を
簡潔に説明していきます。
また、不具合ができた際の処置ルール、手順、報告経路等も明らかに
しておく必要があります。
さらには社員教育の記録や周知徹底の方法等も聞かれる場合が
あります。
工場見学やISO審査も同様で社外の方に自社工程を見せると
いうことは、整理整頓等5Sの状態や従業員の勤務態度も含めて、
会社を見られるわけで、常日頃から良い状態を維持しておく必要が
あります。
しかしながら、顧客に対しては社外秘扱いにしなくてはならない
注意点があります。成形条件の出し方や歩留り改善等の会社固有の
ノウハウ、現場の写真撮影等はお断りすることにしています。
工程監査は客観的に会社を見ていただき、指摘を受けることで
会社を鍛えるためのひとつの手段と考えれば、非常に有意義なものと
なることでしょう。
最後に工程監査後には『改善・指摘事項等の課題』がある場合も
多いのでお忘れなく....