◎横綱稀勢の里の引退に思う

3場所にわたる8連敗のワースト記録を更新し、今場所、いきなりの3連敗となった横綱稀勢の里が、ついに引退を決断しました。残念な結果に終わりましたが、まずは、素直にお疲れさまと言いたい。本人の敗戦後の表情を見ると、まさに満身創痍と言った感じて、正直早く楽にしてやりたい、かわいそうだなと思いました。

 

個人的な意見としては、そもそも稀勢の里にとって横綱になったことが良かったのか? 横綱になったばかりに相撲人生を短命に終わらせてしまったのではないか?と思います。

 

横綱審議委員会の横綱推薦内規によると【1】横綱に推薦する力士は、品格、力量が抜群であること。 【2】大関で2連続優勝した力士を横綱に推薦することを原則とする。 【3】第2項に準ずる好成績を挙げた力士を推薦する場合は、出席委員の3分の2以上の決議を必要とする。 【4】品格については、協会の確認に基づき審議する。 とある。

 

ちなみに、稀勢の里は 内規【2】大関で2連続優勝した力士を横綱に推薦することを原則 を満たさないが、毎年、安定した成績を大関として挙げていたことを根拠に、横綱に昇進となりました。

 

内規【1】の中の力量が抜群であること、横綱は他の力士を寄せ付けない圧倒的な力量差がなくてはならないのですが、結果論となりますが、このあたりの選考の過程で日本人横綱を早く登場させて、相撲人気を復活させたい等のあせりから、力量不足の状態で横綱に選考してしまった横綱審議委員会にも選考責任があるのではないか?と思います。

 

モンゴル出身の白鵬、あるいは引退した日馬富士等と比較して、稀勢の里に対しては選考から、その後の引退勧告をしない状況などを含めて、どこか甘さが感じられました。

 

野球発祥の大リーグにおいても外国人選手の活躍はあたりまえで、スポーツの世界がグローバル化は避けられない中、日本のお家芸の柔道でも日本人がなかなか勝てませんが、外国人と日本人の体格差なども含めてやむをえないかもしれません。

 

『柔道』→『JUDO』、『相撲』→『sumo wrestling』、海外ではこのように呼ばれていて、とても人気がありますので、海外の方を受けれているのであれば、この流れに逆らうことはできません。

 

むしろ、世界に相撲を売り込んで興業的に成功をおさめつつも日本独特の文化(女人禁制、神事)などについて、広く世界の方に理解を得ていく必要があるかと思います。

 

白鵬などモンゴル出身の横綱は、横綱審議委員会から横綱の品格を問われる場面が過去にありましたが、そもそもの相撲は神事であるという様な精神的なところを、どのように海外の相撲ファンを含めて伝えて伝承していくのか?横綱審議委員会のメンバー構成の中に外国人の方を入れるなど、そして、相撲協会も含めて、人事など頭の柔らかい方に血を入れ替えるなど、刷新する必要があるのかもしれませんね。